2018年10月より放送され、多くの反響を呼んだTVアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」は、空と海が輝く町・藤沢を舞台に描かれる、切なくも瑞々しい思春期ファンタジー。「さくら荘のペットな彼女」でタッグを組んだ鴨志田一と溝口ケージが手掛ける、累計150万部突破の原作小説『青春ブタ野郎』シリーズを、「PERSONA5 the Animation」などで知られる『CloverWorks』が鮮やかに映像化。スタッフには監督/増井壮一、構成・脚本/横谷昌宏など実力派が集い、繊細なストーリーや感情を豊かに描き上げました。
さらにTVシリーズに続き、2019年初夏に劇場公開となるのが、アニメ「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」。原作シリーズの第6弾と第7弾にあたる、感涙のストーリーを描き切ります。
この度、本作の初日舞台挨拶が6月15日(土)@新宿バルト9にて開催いたしました。
TVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の放送終了から約半年、ついに公開を迎える『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』。TVアニメ最終回のその後が描かれる本作では、多くの謎を残していった少女・牧之原翔子の真実が明らかになる。
6月15日(土)、新宿バルト9で開催された初日舞台挨拶は、全国30館でのライブビューイングを実施するほどの盛況ぶりを見せた。
司会の天津 向の呼び込みによって、梓川咲太役・石川界人、桜島麻衣役・瀬戸麻沙美、牧之原翔子役・水瀬いのり、古賀朋絵役・東山奈央、双葉理央役・種﨑敦美が登壇すると、会場ならびに全国のファンへ向けて挨拶を述べていく。
「AnimeJapan 2019」のステージぶりに本作のイベントを参加した東山と種﨑。公開を迎えた今の心境について、東山は「こんなにも優しくて心動かされる作品になることは、アフレコをしているときから感じていましたし、この『ゆめみる少女』にたどり着くためのTVアニメだったのかなという気持ちもあります。(今作で)集大成が描かれて“一片の悔い無し”というくらい、すごい作品が出来上がったように感じました」とコメント。
種﨑は「私は『青ブタ』ファンなので、完成披露上映会のときも“早く観たい!”と思っていたんです。“今日を迎えられた嬉しい気持ちが天気に出ちゃったかも”と思っていて、もう嬉し涙が止まりませんね(笑)」と、会場の誰よりも楽しみにしていたことを明かす。
また、30館の劇場で行われているライブビューイングについて「それだけの方が楽しみに待ってくださっていることを思うと、『青ブタ』は愛されているんだなって」と、ファンの愛情を噛みしめるように笑顔を見せた。
今作がお当番回の翔子だが、初めて台本に目を通した際の印象について、水瀬は「TVシリーズでは、謎めいた女の子という描かれ方だったこともあって、長台詞や幅広いシーンセレクションに合わせて出番があるというより、一対一のシチュエーションが多くて。だから、今作の台本をもらったときは(翔子が)ものすごく喋っていたので、“いい意味で”久しぶりに眼精疲労を伴ったというか……翔子という文字がまぶたに襲いかかるというか……(笑)」と振り返る。
しかし、「キービジュアルを見ていただけると分かる通り、“翔子さん”としての姿もあれば、“翔子ちゃん”の姿もあって。それを見て“拍車をかけて大変なことになりそうだな、頑張ろう!”という気持ちになりました」と続けて、今作へ懸けた熱意が窺える一幕となった。
そんな水瀬と掛け合う石川は、TVシリーズと比べて圧倒的な台本の厚さに驚いたそう。TVアニメ本編のみだと21分だったものが、今作では約1時間30分。「絶対に集中力を切らせられない」と、TVアニメ以上に気合を入れて臨んだことを明かした。
「このパワーの台本に、なあなあの芝居をしたら程々のものが出来上がるだろうと思って。せっかく良い台本なら、120%を出していかないと多分負けるだろうという気持ちがありました」とも語る。その熱演ぶりは、収録の翌日に声が出なくなるほどだったそう。
改めて今作で注目してほしいポイントを尋ねられたキャスト陣。なお、本舞台挨拶は上映を控えた観客に向けているため、ネタバレを避けつつ見どころを紹介しなくてはらない。
すると、真っ先に手を挙げたのは瀬戸。声高らかに「麻衣さんの選択!」と呼びかけると、作中で訪れる麻衣の選択について、しっかりと見届けてほしいと熱弁した。その後、すぐさま石川・水瀬が「咲太の選択!」「翔子の選択!」と瀬戸の答えに倣って回答すると、残されてしまったのは東山と種﨑。
今作の中心となるのは咲太・麻衣・翔子となるため、先ほど挙げられた“選択”は当てはまらないのだが、それぞれ「朋絵の登場(東山)」「双葉の感情(種﨑)」と答え、瀬戸から続いた流れを崩さずに見事完遂。この回答に対し石川・瀬戸・水瀬は、ふたりを言い表すにはピッタリの言葉だと太鼓判を押した。
ここで、作中の思春期症候群にちなみ、思春期だった当時の自分に伝えたいメッセージを発表することに。10秒という制限時間が設けられたが、石川は「10秒もいらない」と先陣を切る。すると「頑張って友達を作ろうとしなくていいんだよ……」と4秒程度で述べ、その言葉を聞いた過去の自分は泣き崩れて走り出すだろうと自己分析していた。
続く瀬戸は「オーディションを受けて良かったね」と過去の自身へ向けて称賛の言葉を贈る。当時は、声優になるため、養成所や劇団への道を考えていたという瀬戸。しかし、何も知らないが故に、勇気を出して最初からオーディションを受けた自分を褒めたいと語る。
「声優雑誌に載っちゃうぞ♪」と軽快に答えたのは水瀬。当時は毎月購入していた上、サイン入りポラロイドのために読者プレゼントまで応募していたそう。しかし、今となっては水瀬自身が誌面を飾り、逆に自らのサイン入りポラロイドを欲してもらえるという現状に「夢のまた夢の世界だと思っていた」と目を輝かせた。
次の東山は「10秒じゃ足りない」と言ったところ、早々と済ませた前の3人から余剰分のタイムを分けてもらうことに。そして「まず君は声優を目指しているが、とりあえず10年は声優をやれるぞ。そして、今勉強をめちゃめちゃしているが、それはすべて忘れる! だから、友達をいっぱい作っておけ! 門限は守らなきゃいけないが、ちゃんと友達と遊んでコミュニケーションを取るんだ!」と、時間いっぱいで最大限の想いを言葉にした。
ラストの種﨑も先ほどの東山と同じく、余剰分のタイムを加算した状態でスタート。「思ったことがあったら全部伝えた方がいいですよ! 大人になってそのときのことを思い出しても、恥ずかしいことになっていたとしても“いや、あの頃なんでね……”みたいに考えられるので全然大丈夫ですよ!」と懸命に考えながら発言するものの、時間が迫っていく。そして、「あと、声優辞めたいなと思う瞬間がもしかしたら来るかもしれないんですけど、続けていれば……」と言いかけたところでまさかのタイムアップ。過去の種﨑からすれば、未来の自分が非常に気になることを言いかけて去ってしまったという展開に、会場は笑いに包まれた。
最後に、キャスト陣を代表して石川から「観ていただければ絶対に感動できますし、絶対に泣けるし、絶対に心に残る作品になると確信しております。咲太もいっぱい喋りますし、頑張るんですけど、ヒロインたちの活躍がなければこの物語は絶対にありません。ぜひヒロインたちに注目してご覧いただければと思います」とメッセージが贈られた。
そして、その言葉に対して水瀬からは「花丸ですね!」とコメントが。石川曰く、本編を観ることで水瀬の発言の意図が明らかになるという。そんなファン心をくすぐる置き土産が残されたところで、イベントは締めくくられた。